小学4年生の子供の国語力が伸び悩んでいたとき、出口汪(ひろし)の「論理エンジン」という国語の勉強法を知りました。
さっそく出口式はじめての論理国語を買って親子で取り組みました。その結果、短期間でしたが集中してやったせいか子供の国語力に目に見えた効果を得られました!
それまでは親としても国語は「なんとなく」しか教えられず、また、子供自身も読解問題への決め手を欠いていて、親子でずっとモヤモヤしていましたがついに探していた国語の勉強方法・教材に出逢えました!
今回は、数ある小学生用の論理エンジンシリーズのなかからはじめての論理国語とそれと同じ時期に発行された論理エンジンキッズについてその違いや使い方をシェアいたします!
小学生のための出口式国語勉強法「論理エンジン」の概要
出口式の論理エンジンは全国の多くの塾や私立の中学・高校で国語教材として使用され、受験でも実績を上げています。 (公式ホームページ 論理jp より)
そして小学生版の論理エンジンは中学高校向けの内容から、文の要点・イコールの関係・対立関係・因果関係の4つのポイントに重点を置いて構成されています。
その4つのポイントを意識し、まず一つ一つの文の内容を把握し、次に接続語(詞)から文と文との関係性をつかみ、やがては文章全体の内容の理解につなげられる論理的な国語力を育てるシステムが最新の小学生版論理エンジンです。
出口式論理エンジン(小学生版)のポイント
①文の要点をつかむ
文の主語と述語・目的語に注目して一つ一つの文の要点を把握する。
②イコールの関係
抽象的なことは「つまり」などの接続語で具体化される。反対に、具体的なことは「例えば」などの接続語で抽象化される。
③対立関係
前文と後文が「しかし」などの接続語で結ばれていれば前後の文は対立・比較した意見や事実を示している。
④因果関係・理由付け
前文と後文が接続語「から」などの接続語でつながっていれば因果関係を示している。また、「なぜならば」などでつながっていれば後文は前文の理由付けを示している。
小学生用論理エンジンのくわしい内容は以下の出口汪の著書で述べられています。
そして、この仕組みを学年別ではなく国語の習熟度(レベル)に応じて積み上げていく教材が論理エンジンキッズとはじめての論理国語です。
「論理エンジンキッズ」について
論理エンジンキッズは2017年5月頃に発行され、小1~小6レベルがそれぞれ2分冊で計12冊(解説もいれると全24冊)で構成されています。 また、各レベルでの定着度を確認するためのテストが含まれているCDも別売りされています。
ただし、公式ホームページによると論理エンジンキッズは塾や学校向けに作られた直販教材で個人では購入できないとのことです。
それでもネットで検索してみると、ヤフオクやメルカリでCD付きの全巻フルセットで21,500円程の価格で取引されていました。
とりあえず子供の該当レベルのものだけでも欲しかったのですが、いきなり全部そろえるのも値段が高く、やらなかったらもったいないと思っていたところ書店で見つけたのはじめての論理国語でした。
「はじめての論理国語」について
出口式「はじめての論理国語」の概要
はじめての論理国語シリーズは2016年3月~2019年8月にかけて小1レベルから小6レベルまで発売されており、この記事を書いている段階では小学生向け論理エンジンシリーズの中では最新のものとなります。
この本は著者の出口汪氏をして、
本書は「出口の小学国語」の集大成でもあり、それと同時に進化版でもあります。
(引用 出口汪のオフィシャルウェブサイト )
と言わしめているだけあって、国語力にとどまらず、いまの小学生が大学受験をする頃の入試改革や情報過多・グローバル化がますます進む世界にあって、大人になってからも自ら主体的に生きていくための論理的思考力の養成を目的に書かれています。具体的には、話し合い(ディベート)や資料分析など実際の生活での場面で使えるようなトレーニングが独立した項目として用意されています。
全体的によくある国語の参考書とは一味違う、日本語の論理習得に特化したメリハリのある構成となっており、実生活でも役に立つ能力を育てるのにも有用な実践的な教材だと思います。
また、全冊B5版のフルカラー印刷で製本されており、本編ではキャラクターが登場するなど視覚的にも子供が親しみやすいデザインとなっています。
学習内容は各ステップに分かれており目次通りに順に進める形式で、別冊の解説もとても丁寧です。
学年別ではなくレベル別の構成なので、我が家の場合は読解力の乏しい小4の上の子用には小2~小4レベルを、今年から小学生になった下の子には小1レベルを購入して取り組んでいます。
「はじめての論理国語」と「論理エンジンキッズ」の違い
今回購入したはじめての論理国語と出口汪オフィシャルウェブサイトに記載されている論理エンジンキッズの目次やサンプルページから比較してみました。
まず目次を比べてみると、基本的なカリキュラムや構成の根幹は「論理エンジンキッズ」と「はじめての論理国語」は同じような感じです。そして、塾や学校の教材向けである「論理エンジンキッズ」の方が各ステップの内容をより丁寧に細分化し再編成している印象です。
いずれも学年別ではなく国語力に応じたレベル別のスパイラル方式となっており、新しい事項を加えながら徐々にステップアップできるようになっています。必要に応じて下の学年のレベルから取り組むと定着しやすいです。
次に、本編の内容ですが、いずれも低学年用では文法になじみのない子供でもわかりやすいように主語や述語・目的語・接続詞などフルカラー・記号で表現しており直感的に理解できる工夫がしてあります。要点などがキャラクターが会話している様子のイラストで説明されており、どちらの教材も論理力習得という高度な目的を掲げた教材にもかかわらず小学生にもとても親しみやすい作りとなっています。
そして、小1~小2レベルでは文字も大きく見やすい作りですが、小3レベルからは文字が少しづつ小さくなったり文字数が増えたりと小4レベル頃からは年齢に応じた構成になっています。
中身をくらべてみると、こちら↓が論理エンジンキッズで、
こちら↓がはじめての論理国語です。
カラフルな色づかいやキャラクターが登場するなど同じようなデザインで編成されていることがわかります。
また、はじめての論理国語にも家庭学習でも親子で論理エンジンの手法が身につけられるように親用に別冊で分厚い解答もついています。そして、それは解答だけではなく各ステップのねらいや学習の目的もわかりやすく丁寧に解説されており、家庭学習でも十分に出口式のエッセンスを習得することができるようになっています。
一通り比べてみた感じでは、「はじめての論理国語」では「論理エンジンキッズ」の根幹は変わらずに内容が凝縮されコンパクトになっている印象を受けました。
公式ホームページなどあちこち調べてみてもどこにも書かれていなかったのですが、内容や発行時期が重なっていることなどからも推察すると、塾・学校受けの教材「論理エンジンキッズ」の家庭学習版が「はじめての論理国語」だ!と思います。
「はじめての論理国語」の使い方
はじめての論理国語は掲載されている例題や問題はあまり難しくはありません。簡単でそれほどボリュームもなく、子供だけでやっても急いでやれば2~3日で終わるでしょう。
ただ、より効果を上げたいならぜひ親子でやることをおすすめします!各ステップで学習するポイントを親が子供に意識させながらやることでスキルがもっと身につくからです。
本に取りかかる前には、親がまずは本全体をざっと目を通しましょう!
特に低学年向け小1・小2・小3レベルでは、テキストの前段で「論理とは何か?」について、その核となるイコールの関係・対立関係・因果関係・文の要点の4つのポイントが丁寧に解説されています。また、各ステップの学習目的も表でわかりやすく説明されています。
小4レベルではそのような丁寧な解説はありませんが、どのレベルでも目次と別冊の解答を比べながら読むと全体の流れや各ステップの要点がつかめます。
別冊の解答が丁寧なのもこのシリーズの特徴です!
この別冊では各ステップで学習のねらいや考え方が明確に示されています。また、間違ったら下のレベルのどこを復習すればよいか書かれており、苦手克服の手助けにもなります。
ぜひ、親子で取り組みましょう!
我が家の場合の使い方
小学4年生の子供と勉強したときのはじめての論理国語の使い方としては、
- 子供が本に取り組む時にそのステップの説明のイラストを子供と一緒に見ながら親がポイントを説明する。
- 次に練習問題を解かせる。
- 当たっても間違ってもなぜそのような回答をしたかという事を子供に説明させながら各ステップのポイントを意識させるようにする。
ということを繰り返しながら進めました。
早く終わらせることもできましたが、各ステップの学習内容の定着を重視し2~3週間程かけて1冊終わらせるくらいのペースで進めました。
我が家の場合は小4ですが、小2レベルから始め小3・小4レベルと順に進めました。お子様の国語力にもよりますが、学年の1~2つ下のレベルから始めると定着しやすいと思います。
小4レベルの「はじめての論理国語」が終わったら、同じ出口式で問題集のような構成の「読解・作文トレーニング(論理エンジン 小学生版)」を与える予定で既に購入しています。
緑ではなくこちらの水色の方です。
ネット上での評判やアマゾンでの口コミなどでは、緑のシリーズは基礎力養成に重点が置かれ簡単で、水色のシリーズは中学受験用の教材としても使用でき難易度が高いというようなことが見受けられますが、小4の子供に「はじめての論理国語」の後に水色の論理エンジンがよいと思ったのは、水色の方の目次を見たときに「はじめての論理国語」の構成に似ているからです。
逆に、小学校1年生の下の子には「はじめての論理国語 小1レベル」をあたえる前に緑の方の「論理エンジン 小学生版 1年生」をやらせています。
まずは文章や読解問題に慣れさせたあとにはじめての論理国語で文法的な論理について学ばせた方が理解が深まりそうだからです。
今度は水色ではなく緑の方です。
「はじめての論理国語」を使ってみた感想
我が家の小学4年生の子供は小学3年生の4月からz会の中学受験コースで国語の家庭学習をしており、漢字やことわざなどの語彙・語句についてはコツコツ勉強した成果もあり順調に習得しているのですが読解力だけは伸び悩んでいました。国語に対する苦手意識は持っていませんでしたが、毎月のz会の添削で国語の偏差値は常に20~30台とずっと低迷していたので少々自信喪失気味になっていました。
読解問題の解き方など横で見ながら問題文に書かれている内容を口頭で要約させるなどしましたが、それなりに内容を説明できていました。「なんとなく」は理解しているのですが、読解問題に対してどうしても的を得た答えを導くことが出来ない状態がずっと続いていました。
そこで夏休みにはじめての論理国語小2レベルと小3レベルを購入し取り組みました。
その結果、夏休み明けにはそれまで「なんとなく」取り組んでいた読解問題に自信を持って回答できるようになり、z会の国語の添削でははじめて偏差値50台に乗せられました!
偏差値が上がったことよりも、答案を見た際に、選択式の問題はもとよりそれまで空欄や的を得ない答えがほとんどだった記述式の問題への回答が要点を押さえたものになり、短期間でしたが国語力が飛躍的に向上しとても驚きました!
細かいところから全体に拡げて論理的に答えを導いていけるように確立された論理エンジンの手法を徐々にマスターしつつある証拠だと思います。
子供自身もそれまで「なんとなく」考えて正答までもう一歩届かなかった読解問題への回答が、しっかりとした根拠に基づいて確信をもって導けるようになり自信がついたようです。
また、夏休み宿題の作文や読書感想文も、文字数が多めでかつ内容も上手に書けるようになっているのを見て、読解力のみならず記述力の向上も実感できました。
まとめ
小4の我が子が夏休みという短い期間でしたが、出口式はじめての論理国語で勉強することにより国語のテストで「なんとなく」ではなく根拠に基づいてしっかりと的確に回答できるようになり本当に驚きました。また、あわせて作文力も向上していることにも驚きました。
国語力(論理力)はすべての勉強の基礎でもあり、また将来大人になっても自分で考えサバイブしていける「生きる力」の源です。
今回出会った出口式の論理エンジンシステムを、親が勉強を見てやれる小学生の間になんとか身につけてもらい、情報であふれ今後さらにグローバル化・機械化される世の中を自分の力で生き抜いていって欲しいと思います!