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海外出産で子供のパスポートを最速で取得する方法と出生届の手続き

海外で出産する場合に産まれた赤ちゃんのパスポートを最速で取得する方法とその前段の手続きとして出生届を日本の役所に提出する方法についてタイのバンコクで出産した時の体験談もまじえ紹介します。

海外での出産を考えている方、特に出産後はなるべく早くその国を出国したい方のご参考になれば幸いです。 

海外で産まれた子供のパスポートを最速で取得する方法

ボク達夫婦(いずれも日本人)はとあるアジアの発展途上国に住んでいましたが、出産を医療事情のよいタイのバンコクでしました。 出産のみを目的としたタイ旅行だったので、ビザの関係もあり出産前後はそう長くは滞在していられませんでした。 そのような事情もあって、出産後に産まれた子供と一緒にタイを出国するためにはできるだけ早く子供のパスポートを取得しなければなりませんでした。

子供のパスポートを早く取得するためには日本の戸籍に入れる必要があります。 急な事情がない限り、出産した国で子供を日本の戸籍に入れる手続きをしないと出国に必要なパスポートはとれません。 戸籍に入れるための手続きが出生届の届出です。

外国での出生届の手続きは、その国にある日本の公館(大使館や領事館等)でも出来ますが、在外日本公館に出生届を提出しても結局は日本の外務省経由で本籍地の役所に送られるだけなので、本籍地の役所に出生届を直接郵送などで届けた方が子供の戸籍が早く作成されます。

出生届が受理されてから戸籍に記載されるまでの期間は、在外日本公館に届出した場合は1ヶ月~2ヶ月程度、本籍地の役所に届出した場合は1週間~2週間ほどかかります。 パスポートを申請するためには、どちらに出生届を提出しても戸籍が作成された後に日本の役所から戸籍謄本(または戸籍抄本)を出産した国まで取り寄せる必要があります。

戸籍謄本が手元に届き、パスポートの取得に必要な他の書類一式を揃え、その国の在外日本公館に申請してはじめてパスポートが発行される流れとなります。 なので、海外で出産して生まれた子供のパスポートを早く取得するためには、日本の役所とうまくやりとりする必要があります。

以後、具体的に各手続きについて説明します。

海外で出産する場合の出生届の手続き

出生届の手続きに必要なもの

海外出産での出生届の手続きで必要な書類は、

  • 出生届
  • 出生証明書(オリジナル)
  • 出生証明書の和訳

の3点になります。 日本での出産と違うところは、出生届とともに提出する出生証明書(Birth Certificate:バースサーティフィケート)の入手方法や様式、そしてその和訳をつけることです。

届出用紙の入手方法

ただでさえ慣れない海外での出産では雑用は最小限にしてなるべく無駄な動きはしたくないものです。 出生届の用紙も事前に用意しておくと一手間減ります。

入手先

出生届の用紙はその国の日本の公館(大使館や領事館など)に備え付けてありますが、あらかじめ日本の役所で入手してもかまいません。 様式はどちらで入手してもほとんど同じです。 違うところは、在外公館の出生届の用紙には、本籍を記入する欄に父と母の国籍を記載する欄があるのと、その他の欄に「日本国籍を留保する」という項目があるところです。 「日本国籍の留保」については別記事で解説していますが、日本の役所に提出する場合はいずれの様式でも受け付けてもらえます。

出生届(A4版)のダウンロードによる入手方法

出生届はいちいち取りに行かずにダウンロードしてプリントアウトできれば便利ですよね? ボクは事前に日本の本籍地の役所に「出生届は備えつけのものではなく基本的に全国共通の様式なのでプリントアウトしたものに記載しても大丈夫」と聞いたのでダウンロードで済ませようとしました。

ところで、出生届の様式ですが外国の在外日本公館や日本の役所備えつけの用紙はA3版となっており、その左側が出生届・右側が出生証明書となっています。 また、出生届の様式をダウンロードできる在外日本公館や日本の役所もいくつかありますが、同じくほとんどが出生証明書付きのA3版です。

出生証明書については結局その国で独自に発行されるものを別途に用意することになるので、A3版の出生届を使ってもその右側の出生証明書の部分は不要です。 また、外国(特に発展途上国)で生活しているとA3が出力できるプリンターがなかったりします。

そこでA4版のPDF形式での出生届のみの様式はシンガポールの日本大使館のホームページからダウンロードできます。 提出先の日本の役所にも確認し、これをプリントアウトして使ってもかまわないとのことだったので、ボクはこの様式を使いました。

 >> 在シンガポール日本国大使館

出生届の書き方

出生届の具体的な書き方については別記事にしましたので下記の記事をご参照ください。

 >> 海外出産での出生届の書き方と具体的な記載例

また、出生届を記入する際に国籍の留保についても十分に注意しましょう!

 >>国籍の留保とは?手続を間違えると日本国籍が取得できないことも!

出生証明書の取得方法

出生届と一緒に提出する出生証明書は、その国の官公署の発行する出生登録証が原則のようですが、医師の作成した出生証明書でもかまいません。 出産する国にもよりますが、病院で医師に出生証明書を作成してもらえるならその方が発行されるのは早いでしょう。

なお、A3版の出生届の右側の出生証明書は不要と書きましたが、日本語を読み書きできるお医者さんがいればそこに出生証明事項を書いてもらっても差し支えないようです。

また、出生証明書をもらう際は必ず内容を確認し、間違いがあれば直してもらいましょう。 出生届は出生証明書により出生したときの内容が証明されますが、出生証明書に書かれた誕生日などが間違っていると正しい届出ができず面倒なことになります。

日本だと考えられませんが、外国だと発行してもらった証明書の内容が間違っていることはしばしばあります。

出生証明書の日本語訳の作成方法

出生証明書(または出生登録証)が取得できたら、その日本語訳(和訳)を用意します。

様式に決まりはなく、和訳の書類には翻訳者の住所と名前を書きます。 捺印はいりません。

また、国によっては在外日本公館に出生証明書の和訳の雛形が備えられており、ホームページからダウンロードできるところもあります。

ボク達の場合は、在タイ日本人御用達のバンコクのサミティベートホスピタルで出産したので日本人対応も慣れており、病院発行の出生証明書もすぐにもらえました。 日本語訳の用紙もあわせてもらえたので、署名捺印するだけでかなり楽でした。 また、パスポート申請用の証明写真も産まれた次の日には撮影してもらえました。

それから出生届の手続きには使わなかったのですが、病院の発行する出生証明書とは別にタイ国発行の出生登録証も記念に別途申請して発行してもらいました。 このタイ国発行の出生登録証ですが、あとで産まれた子供とタイを出国するときに空港の出国審査で提示を求められました。 すでに飛行機の預け荷物に入れており手元にはなかったのですが無事に出国はできました。

出国審査の際にタイ国発行の出生登録証の提示が必要な場合もあるのかもしれませんので、取得したなら手荷物としておくのがよいかと思います。 タイで出産する場合の参考に。

出生届の日本への提出方法

日本での提出先

日本での出生届の提出先は本籍地の役所の戸籍係となります。 日本の住民票を抜いている場合でも、住民票を置いている市区町村と本籍地の市区町村が異なる場合でも、最終的に戸籍への記載は本籍地の役所の戸籍係で行われます。

なお、在外日本公館に出生届を提出する場合は、それ以前に在留届を提出しておく必要があります。

提出期限

外国で出産する場合は、出生届の届出期間は出生の日より3ヶ月以内です。 日本の役所に提出する場合でも在外日本公館に提出する場合でも同じです。

提出書類

日本の役所への出生の届出に必要な書類は以下の三種類です。

  • 出生届:1通
  • 出生証明書の原本:1通
  • 出生証明書の和訳:1通

在外日本公館に提出する場合は公館により必要部数等が異なる場合もあるのでご確認ください。

届出人

原則として、産まれた子の父または母です。

提出方法

日本の本籍地の役所の戸籍係へ直接郵送できます。

なお、郵送方法ですが、いずれも配達が早くて配送履歴をトラッキングできる国際スピード郵便(EMS)や国際宅急便(DHLやFedExなど)を利用した方が確実でしょう。

または日本にいる親などに郵送し、使者として役所の戸籍係に提出してもらう方法があります。 もちろん出産後にたとえば父親が日本に一時帰国する機会があればその時に提出もできます。

在外日本公館に提出する場合は窓口に直接提出するか公館によっては郵送でも受け付けてもらえるところもあるようです。

ボク達の場合は日本の役所に送らず、日本にいる親に郵送して使者として提出してもらいました。 届出人と使者の違いは、出生届の届出人欄に記載するのが届出人で、書類を窓口に届けるだけの役目が使者となります。 (委任状は必要ありませんでした。)

使者を頼んだ方が書類に不備があった際でもやり取りしやすいと役所の人に言われそうしました。

出生届の提出が間に合いそうもなかったら?

周到に準備をしても、出生届とともに提出しなければいけない出生証明書(Birth Certificate:バースサーティフィケート)が3ヶ月以内に発行されず期限内に届出できなかったり、母親だけでの出産で産後の経過が悪く3ヶ月以内に出生届の手続きができそうにない場合など、事前にその国の日本の公館に相談していて遅延した正当な理由を陳述した書類をつければ受理されることがあるようです。 (「天災その他第1項に規定する者の責めに帰することができない事由によって同項の期間内に届出をすることができないときは、その期間は、届出をすることができるに至った時から14日とする」戸籍法第104条第3項)

在外日本公館でも国や担当者によってはそういうことも知らなかったりと対応が全然変わってくるので、まずはとにかく事前に日本の公館に相談しましょう。

日本の公館の窓口は国によっては日本語をしゃべれる現地人で、さらにその国の人達へ日本入国のビザを発給することがメインの仕事だったりと、出生届などの手続きや日本の法律について熟知していない窓口係もいるので事情を理解してもらうまで粘ることが大事だと思います。

万が一、日本の公館(領事館等)で拉致があかない場合は、日本の出生届の提出先の自治体の戸籍係へ問合せすることになると思います。

日本国内で出産した場合は14日以内に出生届を提出することになっていますが、それを過ぎた場合でも正当な理由があれば科料を支払うことがあるかもしれませんが、ほぼ受理されるようです。 外国での出産であっても出生届の受付はしてくれるので受理される可能性は高いかもしれません。

いずれにせよ出生届の手続きについてはとにかく早めに関係機関に相談しましょう。

海外で産まれた子供のパスポートの取り方

パスポートの申請に必要なもの

パスポートの新規発給を申請するうえで最小限必要なものは下記3点です。

  • 戸籍謄本(抄本)
  • 一般旅券発給申請書(20未満の未成年のパスポートは5年用となります)
  • パスポート用の写真(幅35mm×高さ45mm)

なお、在外日本公館によって必要な書類や用意する数量が異なる場合があるようなのであらかじめ申請先の公館にご確認ください。

戸籍謄本の取得

出生届が受理されれば1~2週間程度で産まれた子供の戸籍が作成され戸籍謄本(抄本)が取得できるようになります。 戸籍謄本は役所によっては郵送でも取得できるところがあるようですが、送料などの料金のやりとりもお互い面倒そうなので親や親戚などに取得してもらって送ってもらうのがよいでしょう。 なお、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)とは戸籍に入っている人全員(夫婦と子供)の身分事項が記載されている書類で、戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)とは戸籍に入っている人を選んでその人の身分事項が記載されている書類です。

一般旅券発給申請書の入手

パスポートの申請書である一般旅券発給申請書は在外公館で入手できます。  また、2018年1月より在外公館において「ダウンロード申請書」の運用が始まりました。下記より一般旅券発給申請書をダウンロードしてプリントアウトして申請することも出来ます。(WindowsだけでなくMacでもスマホでも利用可能です!)

 >> パスポート申請書ダウンロード(外務省)

パスポート用証明写真

パスポート用の写真の規格は幅35mm×高さ45mmです。 パスポート申請用写真の規格(外務省)

パスポートの申請先

出産した国にある日本公館(大使館や領事館等)

パスポートの申請方法と受け取り方の際の注意点

子供がパスポートを申請する場合は親(法定代理人・親権者)が代理で申請できます。

パスポートは通常3~4営業日でできあがります。 パスポートを受け取りに行く際はたとえ新生児であってもパスポートの名義人本人が出頭しなければなりません。 つまり、産まれた子供を窓口まで連れて行くことになります。

交付を受ける際にはパスポート発行手数料がかかります。

その他

産まれてきた子供の滞在ビザってどうなるの?

ボク達の場合のタイでの出産では事前に90日の観光ビザを取得していましたが、産まれてくる子供についてはパスポートを早くとることばかり考えてて滞在ビザについてはすっかり盲点になっていました。

この記事を書くにあたり調べてはみましたが、タイで産まれた外国人の子供は14歳まではビザ無しで滞在できるとか30日以内に役所に出生登録証しなければいけないなどの情報は見かけましたが正式にはどのような扱いになっているのかは結局調べきれませんでした。 在外日本公館やその国のビザ発行機関に直接問合せした方がよいでしょう。

タイ出国の際は記念に取得していたタイ国発行の出生登録証をスーツケースに入れたまま預け荷物にしており、出国審査の際に提示を求められましたが事情を説明したらなんとか大丈夫でした。

また、シンガポールでは外国人が産んだ子供に生後42日間の特別短期滞在許可(Special Pass)を発行するようです。 期間内にパスポートを取得して特別短期滞在許可を取得しないと罰則規定があるようです。

このように産まれてきた子供の滞在ビザは国によって取り扱いが違うようなので、これも出産前に調べておいた方がよいでしょう。

パスポートに代わる「帰国のための渡航文書」とは?

出産後のトラブルなどで子供のパスポートを作る時間もなく緊急に日本に帰国する必要がある場合は、在外日本公館に出生届を提出した場合に限りパスポートに代わり帰国のための渡航文書という文書を発行してもらえることがあります。

英文の戸籍記載事項証明も取得しておくと便利

在外公館でのパスポートの申請の際には、あわせて戸籍謄本から必要な事項を抜粋した英文の戸籍記載事項証明を作成してもらうと子供のビザを取得する時など家族関係や出生を証明する書類(Certificate of Family register)として利用できて便利です。

英語(外国語)の母子手帳を事前に用意していると便利

日本の市区町村に妊娠届を出したり出産後でも住民票を入れれば母子手帳はもらえますが、事前に英語などの外国語版の母子手帳も用意しておくと重宝します。

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まとめ

以上のような出生届を日本の役所に提出する方法により、ボク達は子供の誕生の日から数えて9日後には日本の本籍地の役所に出生届を提出(受理)、11日後には戸籍謄本が発行され、16日後には生まれた子のパスポートを所得することができました。 実際は縁起をかついで出生届を提出してもらう日も決めていたので、出生の届出書類一式が日本の親の元に届いてから提出まで三日ほど余裕もあり、それがなければ2週間程でパスポートが取得できたことになります。

出産前から在タイ日本大使館と日本の本籍地の役所にメールやファックスで手続きについて問合せし、出生届の下書きを見てもらい、子供が産まれた翌日には書類をそろえて日本に発送するだけの準備をしたり、本籍地の役所に事情を話して通常より早く戸籍を作成してもらえたことも迅速にパスポートまで取得できた一因です。

日本人夫婦が海外で出産し日本の役所に出生届を提出する場合について一般的な内容としてまとめましたが、実際に手続きをする際にはくれぐれもご自身で事前に在外日本公館や日本の役所にご確認ください!

手続きを誤ると産まれた子供は日本国籍がとれないことも!

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