海外出産時の出生届の書き方について記載例を用いて具体的に紹介いたします。
ここで使用した記載例は文末でPDF形式でダウンロードできるようにしておりますので参考にしていただければ幸いです。
なお、出生届について書き方以外の手続方法や海外で産まれた赤ちゃんのパスポートの取得方法については下記の別記事で紹介しておりますのでご参考まで。
>> 海外出産で子供のパスポートを最速で取得する方法と出生届の手続き
ちなみに「出生届」は「しゅっせいとどけ」ではなく「しゅっしょうとどけ」と読みます。
海外出産時の出生届の書き方
海外出産時の出生届を書くときの全般的なポイント
出生届を記載するときは全て日本語(漢字・ひらがな・カタカナ)で記入します。 外国語表記も漢字やカタカナなど日本語に直して記入することになります。
各項目の書き方
①よみかた
ふりがなはカタカナではなくひらがなで記載。
②子の氏名
名前は戸籍に記載する文字を記入します。 命名の際は人名に使える文字(常用漢字・人名用漢字・ひらがな・カタカナ)かどうかチェックしましょう。
当然ですが、出生届を速やかに提出するためには産まれてくる子供の名前を決めておかなければなりません。 日本では「名未定」としてとりあえず出生届を出して後で追完届で名前を決めるということもできるようですが、海外からそこまでやった話は聞いたことはありません。 そもそもパスポートを早く取りたかったら子供が生まれてくる前までには名前を決めておいた方がよいです。
③父母との続き柄
男女別々の順番に一番上の子供は長男または長女(「一」と書いてはいけない)、二番目の子供の場合は二男または二女と記載します(「次」と書いてはいけない)。 性別はチェックボックスにチェックをします。
④生まれたとき
誕生日を和暦で、誕生の時刻を12時間表記で書きます。 夜中の12時は午前0時、昼の12時は午後0時など。 日本との時差は関係無く出生証明書に記載されている現地の日時となります。 海外生活が長いと和暦は忘れてしまいますが、今年(2016年)は平成28年です。
⑤生まれたところ
出産した病院などの住所を英語など外国式に書かれた住所を日本語式に転換表記します。 特に決まったルールはなく、読みの通りに書けばよいようです。 外国だと行政単位が日本と違ったりするので、日本語での書き方は在外公館に聞いてみるのが早いかもしれません。
ここに記入した住所は、戸籍の身分事項の出生地の欄に市区町村単位で記載されます。
⑥住所
出産時に滞在しているホテルやアパートなどの住所を書くのが一般的です。 「生まれたところ」の記入方法と同様に、出産時に住んでいる場所の住所を英語等の外国語ではなく日本語で記入します。
⑦世帯主との続き柄
父母のいずれかが世帯主なら「子」、祖父母が世帯主なら「子の子」と書きます。 海外にいると世帯主とかあまり考えないので、悩まず父母のいずれかを世帯主に書き、ここは「子」と書いておけば問題なしです。
「生まれた子」欄の「父母との続き柄」の項目の書き方と違うので注意。
⑧本籍及び国籍
本籍地はハイフン(―)など使わず戸籍のとおり正確に記入します。 筆頭者と本籍地の表記は間違いのないように事前に確認しておきましょう。
⑨同居を始めた時
夫婦が結婚式を挙げたときか同居を始めたときの早いほうを和暦で記入します。
⑩子が生まれたときの世帯のおもな仕事と父母の職業
世帯主の職業にチェックを入れます。
父母の職業は国勢調査のある年の4月1日から3月31日までに子供が生まれたときだけ記入します。 国勢調査は基本的には西暦が5の倍数の年に行われます(次回は2020年)。
⑪その他(日本国籍を留保する)
その他として日本国籍を留保するかどうかなどを記入します。 この欄は重要です。 ここを間違って届け出ると産まれた子供が日本国籍を取得できないこともあります。
国籍留保について詳しくは別記事で紹介しております。
⑫届出人
届出人は父か母がいればそのいずれかですが、父母の連名でも届出できるようです。 届出人のチェックボックスにチェックを入れます。 連名の場合は父と母の両方にチェックすることになります。
届出人の住所が生まれた子の住所欄と同じなら、「(4)欄に同じ」、本籍が本籍及び国籍欄と同じなら「(6)欄に同じ」と記載できます。
署名と捺印もお忘れなく! 父母連名での届出ならそれぞれの署名・捺印が必要です。
⑬捺印
日本の役所は基本的に印鑑の捺印をもとめているようなので、あらかじめ印鑑と朱肉及びスタンプ台を用意しておくとよいでしょう。
なお、印鑑は実印でなくてもかまいませんが、シャチハタなどインク内蔵のスタンプ印は印影がにじむ等のことがあり使わないようにというところが多いようです。
また、在外日本公館への提出は捺印の代わりに拇印でもかまわないようです。
⑭届出人の連絡先及び電話番号
連絡先は届出人の住所で記入した内容をその国の外国語(英語)での住所表記にしておけば何かあれば郵便でやりとりできます。 電話番号は携帯電話の番号など連絡が取れる電話を書いておきましょう。 国番号もつけて書いておくと親切ですね。
訂正の書き方
書き間違えた場合は訂正箇所に二重線を引き訂正印を押せば修正できます。 在外日本公館への提出は訂正印の代わりに拇印で訂正してもかまわないようです。
訂正前の状態もわかるように修正液は使ってはいけません。
遠く離れた日本の役所に提出するならば、間違いのないように書類は何度も修正せずに書き直して間違いのないものを送った方が後で面倒なことにならないでしょう。
海外出産での出生届の記載例ダウンロード
この記事で用いたました記載例は下記よりダウンロード可能です。
まとめ
今回はは海外出産での出生届の書き方について詳細に説明してみました。海外のアルファベット表記でも全て日本語(漢字・ひらがな・カタカナ)で記入することが記入する際にやや面倒なところかと思います。
しかし、海外出産の出生届の手続において最も重要なポイントは、
- 国籍の留保の手続(出生届への記載の仕方)
- 出生届の提出期限(外国で出産する場合は、出生届の届出期間は出生の日より3ヶ月以内)
の2つです。この2点を怠ると日本国籍が取得できないこともありますので十分ご注意ください。
>> 国籍の留保とは?海外で出産するときに出生届の手続きを誤ると産まれた子供は日本国籍がとれないことも!
また、海外で出産で産まれてきた赤ちゃんのパスポートの取得方法や出生届の手続について下記の記事で詳細に解説しております。
>> 海外出産で子供のパスポートを最速で取得する方法と出生届の手続き
あわせて参考になればうれしいです!